公開日: 2024.08.22
最終更新日:2024.08.22
40代〜50代にかけて、閉経前後の女性のカラダに訪れる様々な変化。
いわゆる「更年期症状」の中でも、症状が重く日常生活に支障をきたすものを「更年期障害」と呼びます。
女性ホルモンの低下が引き起こす症状の中には「ホットフラッシュ」や「イライラ」といった認知度の高いものから、「膣の萎縮(縮んで機能が低下すること)」や「性交痛」といった思いもよらない症状まで様々です。
こちらの記事では、婦人科の専門医として20年以上女性の身体の悩みや不調に向き合ってきたMET BEAUTY CLINICの福山院長監修のもと、以下のポイントをわかりやすく解説します。
閉経前後の約10年間を「更年期」と呼びます。
閉経の時期は個人差が大きいため、具体的に何歳ごろというのは難しいのですが、40代〜50代にかけて更年期を迎える方が多い傾向にあります。
この期間、女性の体内では卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減っていきます。
エストロゲンの不足は卵巣だけでなく、以下のような数多くのカラダの機能に影響しているため、様々な不調となって現れます。
これらの不調の中でも、日常生活に支障をきたすようなつらい症状が「更年期障害」と呼ばれます。
しかし症状の現れ方には個人差が大きいため、ご自身の心身の不調が更年期障害によるものだと気付けず、長い間不調に苦しんでいる方も少なくありません。
また、更年期障害によく似た症状の重篤な病気だったというケースもあります。
「もしかして?」と思ったら、更年期障害に詳しい医師に診断してもらうことが大切です。
原因に応じた治療を行うことで、症状の緩和や解消が見込めます。
では、更年期障害のより具体的な症状をチェックしていきましょう。
※以下に挙げる症状はあくまで一例です。人によって様々な症状があります。
ホルモンバランスは感情の起伏と密接な関係があります。そのため更年期に差し掛かると、感情の起伏が激しくなり、ちょっとしたきっかけでイライラしたり不安になったり、怒りっぽくなってしまうことがあります。
急に立ち上がった時や体の向きを変えた時に、血の気が引くような感覚があったり目の前が真っ暗になったりします。更年期障害によるものだけでなく、加齢によって引き起こされることもあるため、早めの受診で正しい診断をしてもらうことが大切です。
更年期になってから出てきたり悪化した頭痛は、脳血管の痙攣や収縮によって引き起こされるといわれています。
突然のほてりやのぼせ、発汗といった症状をまとめて「ホットフラッシュ」と呼びます。血管の収縮や拡張をコントロールする自律神経の不調によって引き起こされます。
首や肩のこりが悪化するケースも多くあります。エストロゲンの減少による自律神経の乱れや血流の悪化が原因と考えられます。
何に対しても心が動かない、食欲がわかない、生きる気力を失っている。更年期にはこのようなうつ症状が出ることもあります。うつ病と更年期障害によるうつ状態を見分け、適切な治療を行うためにも早めに専門医へ相談しましょう。
突然、激しい運動をした直後のように心臓がドキドキしたり、息が苦しくなったりします。これらの症状は自律神経の不調によって引き起こされます。不整脈や心疾患の可能性もあります、早めの受診で正しい診断をしてもらいましょう。
「疲れが抜けない」「いつもだるい」「やる気が起きない」といった症状も、更年期の女性に多く見られます。疲労感そのものだけでなく、周囲からなかなか理解してもらえないというつらさもあります。
自律神経の不調によって寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。眠りが浅くなると、寝ても寝ても疲れが取れず、慢性的な疲労感にもつながります。
エストロゲンの分泌量が減ることによって、女性の生殖器は機能が低下し萎縮(小さくなっていくこと)します。膣壁の弾力や厚みがなくなり、分泌物も減るため、膣は乾きやすく傷つきやすい状態になります。
膣の萎縮による影響で、セックス中に痛みを感じるケースもあります。パートナーに相談できず、性交中に痛みを我慢しているといった相談を受けることも少なくありません。
更年期障害の症状や程度は、人によって様々です。
また更年期障害によく似た症状の重篤な病気だったというケースもあるため、まずは受診して原因を見極めることが大切です。
今回は、更年期障害の症状の中でもあまり知られていない「性交痛」に関して少し掘り下げたいと思います。
女性の場合、男性と違って性器が体の内側に入り込んでいるため、性行為が行える判断を下すのが難しい場合があります。
そのため、自分ではできると思っていても、いざとなると痛くて驚いたり、いつの間にか膣を傷つけていることも少なくありません。
このような性交痛を更年期障害の症状のひとつだとは知らずに間違った対策を行ったり、痛みを我慢してしまっている人も多いのではないでしょうか。
しかし、エストロゲンの分泌量が減ることによって、女性の生殖器は萎縮して膣壁の弾力や厚みがなくなり、分泌物も減ってしまいます。
その状態で性行為に挑んでも、膣を傷つけてしまうばかりか、心理的要因から分泌液がさらに減って痛みが増すような悪循環へと陥る可能性もあります。
まずはパートナーに素直に痛みのことを相談をして、潤滑ゼリーなどをうまく活用するなど協力してもらうのが大切です。
我慢できないような痛みを感じたり、痛み以外にも症状が出ている場合には、まよわず婦人科で相談しましょう。
MET BEAUTY CLINICでは、婦人科の専門医による更年期障害の治療を行っています。
一般的なホルモン補充療法(HRT)だけでなく、フェムテックに特化した機器による治療ができるのは、皮膚科や形成外科の診療も行う当院ならではの特徴です。
まずは、気になる症状について担当医にお聞かせください。
じっくりと時間をかけてヒアリングと診察を行い、症状とその原因を明らかにします。
その後は気になる症状にあわせて、以下のような治療を行います。
※複数の治療方法を組み合わせることも可能です。
更年期障害の症状の多くが女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下によって引き起こされていると考えられています。ホルモン補充療法では、女性ホルモンを含んだ薬剤を投与することで症状を改善する治療方法です。
※保険適用のホルモン補充療法に使用する薬剤には乳がんや子宮体がんのリスクを高めるおそれがあるため、当院ではがんのリスクが低い薬剤を使用しております(自費診療)。
モナリザタッチは、顔のエイジングケア治療において実績のある炭酸ガスフラクショナルレーザー技術を応用した治療方法です。レーザーを膣の粘膜や外陰部に照射することで、萎縮した粘膜の血流を良くし、栄養機能を回復させることでふっくらとした潤いのある粘膜に改善します。
どのような治療が適しているかは症状によって異なるため、当院では充分なカウンセリングの上で最適な方法をご提案させていただいております。
まずは気軽にご相談くださいね。
女性に必ず訪れる更年期の悩みですが、個人差が大きいからこそ、なかなかわかってもらえずつらい思いをしている方も少なくありません。
MET BEAUTY CLINICには、産婦人科の領域と美容医療の領域のプロが在籍しております。
更年期特有の悩みは、院長でもある産婦人科医の福山が診察から治療、アフターケアまで一貫して担当いたしますので、ご安心ください。
女医ならではの視点と最新の技術を用いたオーダーメイド治療で、1人1人に寄り添った施術を行ってまいります。
どんな悩みも、まずは一度ご相談ください。
あなたにあった解決策をご提案させていただきます。
MET BEAUTY CLINIC
院長:福山 千代子
日本産科婦人科学会専門医。
20年以上にわたり女性特有の身体の悩みや不調に向き合い、更年期障害をはじめ、月経痛や月経前症候群(PMS)などの治療も 積極的に行っている。
日本産科婦人科学会・女性心身学会所属。