目の下のクマ・たるみを撃退!でも本当は怖い?下眼瞼脱脂術の徹底解説|デメリットとリスクを知り後悔しないために

公開日: 2025.06.02

最終更新日:2025.06.17

「朝起きるたびに目の下のふくらみが気になる…」あなたもそんな目の下のお悩みを抱えていませんか?
年齢とともに目立ちやすくなる目の下のたるみやクマを手軽に解消する方法として、美容医療の「下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ)があります。
目の下の脂肪を取り除くことで見た目が若返る魅力的な施術ですが、繊細な部分のため「失敗したらどうしよう」「デメリットはないの?」と不安を感じて、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

実際、下眼瞼脱脂術にはメリットだけでなく、デメリットやリスクも存在します。
そのため、良い点だけでなく、注意点や欠点も正しく理解した上で判断することが大切です。

この記事では、MET BEAUTY CLINICの美容外科専門家チームが、下眼瞼脱脂術の正しいデメリットやリスクについて詳しく解説し、後悔しないためのポイントを専門情報とともにお伝えします。
施術の良い面も悪い面も知った上で、自分にとってベストな選択ができるよう、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者

  • 院長 山崎 俊
  • MET BEAUTY CLINIC 院長

    山崎 俊
    美容外科、形成外科

    監修の山崎俊医師は、形成外科18年、美容外科10年以上の経験を持つ日本形成外科学会認定の「専門医」「指導医」です。「安全・確実」な治療を第一に、患者様一人ひとりに寄り添い、納得できる最適な施術をご提案します。

    美容医療に関する疑問や不安をお持ちの方も、安心してこの記事をお読みいただけますと幸いです。

下眼瞼脱脂術とは?メリットも簡単におさらい

下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ)とは、下まぶたの裏側(結膜側)から余分な脂肪を取り除く美容外科手術です。
「目の下のクマ・ふくらみ取り」と呼ばれる施術の一種で、目の下の膨らみや影クマの主な原因となる脂肪を根本から取り去ることで、たるみやクマを劇的に改善します。

この施術の大きな特徴は、メスを使用しながらも、皮膚の表面を切開しない点にあります。まぶたの裏側からアプローチするため、外見上に傷跡がほとんど残らず、縫合も基本的に不要。そのため、比較的ダウンタイムが短いとされており、メスを使う美容施術の中では比較的気軽に受けられる治療法です。

そのため、下眼瞼脱脂術は「切らないクマ取り手術」と呼ばれ、メスを使う美容施術の中では比較的手軽に受けられる治療法です。主なメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 半永久的な効果: 一度取り除いた脂肪は基本的に再生しないため、ヒアルロン酸注入のように定期的なメンテナンスは不要。長期にわたる効果が期待できます。
  • 傷跡が目立たない:下まぶたの裏側からアプローチするため、外見上の傷跡はほぼありません。術後も周囲に気づかれにくいため、安心して施術を受けられます。
  • ダウンタイムが短い: 切開を伴う手術の中では、腫れや内出血の期間が短めです。多くの場合、約1〜2週間程度で落ち着き、個人差はありますが1週間ほどでメイクで隠せるレベルまで回復します。
  • 根本改善できる:スキンケアではどうにもならなかった目の下の膨らみや陰クマを根本から解消。疲れた印象がなくなり、目元がフラットになることで、明るく若々しい表情を取り戻せます。

このように下眼瞼脱脂術は「一度で」「跡を残さず」「根本解決できる」点が魅力の施術です。

下眼瞼脱脂術のデメリットと適切な対策法

このような魅力的なメリットが並ぶ一方で、下眼瞼脱脂術には以下のようなデメリットやリスク、欠点が存在します。
「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

避けられないダウンタイム:腫れ、痛み、内出血をどう乗り越える?

美容外科手術である以上、術後のダウンタイム(回復までの安静期間)は避けられません。下眼瞼脱脂術はメスを入れる範囲は小さいものの、術後1〜2週間程度は腫れや内出血、鈍い痛みが出ることが一般的です。

個人差はありますが、術後数日は下まぶたから頬にかけて腫れぼったくなり、青紫色の内出血痕が現れるケースが多いでしょう。これらは生体の自然な治癒反応であり、通常は2週間ほどで徐々に収まります。
痛みに関しても、術後しばらくは目を動かしたときに圧迫感や軽い痛みを感じる場合がありますが、こちらも時間とともに和らいでいくでしょう。強い痛みが長期間続くことは稀で、処方された痛み止めで軽減できる程度です。

とはいえ、仕事や育児で忙しい方にとって1〜2週間の腫れは無視できないデメリットです。術後すぐには人前に出にくい状態になるため、長めの休暇を取る、在宅勤務期間に行うなど、スケジュールの調整が必要です。
特に接客業の方や周囲に内緒で受けたい方は、内出血が完全に消えるまで10日〜2週間ほど見込んでおくと安心でしょう。コンシーラーやサングラスで隠せる程度とはいえ、人によってはメイクでカバーしきれない場合もあります。

【具体例】
下眼瞼脱脂後に強い腫れ・内出血が出る確率は約0.5%とされています。
大半の人は軽度〜中度の腫れで済みますが、ごく稀に体質や出血体質により大きく腫れる例もあるとのことです。
内出血が酷い場合、目の下から血の涙のように血液がにじみ出るケースも報告されています(傷口を縫合しない場合、余分な血液は涙のように排出される)。
こうした事態は極めて稀ですが、ゼロではありません。

【対策】
ダウンタイムは避けられませんが、術前後のケアで軽減することが可能です。
例えば、術前の飲酒や入浴を控えて血行を良くしすぎない、術後はしっかり冷却する、医師の指示通り安静に過ごすなどで内出血の程度を抑えられます。
また、経験豊富な医師であれば手術中の止血を丁寧に行い、極細針・極細メスを使用することでダウンタイム短縮に努めているところもあります。
クリニック選びの段階で「腫れや内出血を最小限にする工夫」を聞いてみるのも良いでしょう。

「クマは消えたのにシワが…」小ジワ・たるみ悪化の落とし穴

下眼瞼脱脂術は目の下の脂肪を除去することで膨らみを改善します。しかし、脂肪がなくなったことで、その上を覆っていた皮膚が余ってしまい、新たに小ジワやたるみとして目立つ可能性があります。

これは、パンパンに膨らんでいた風船の空気を抜くと、表面にシワが寄るのと同じ原理です。特に、もともと皮膚の弾力が低下している40代以上の方や、下まぶたに細かいシワ(ちりめんジワ)が多い方は注意が必要です。
「クマは取れたけど、シワが増えてかえって老けて見える」という声は、この施術の代表的なデメリットの一つなのです。

肌にハリのある若い方なら問題になりにくいですが、皮膚や筋肉のたるみが出やすい30代後半以降の場合、脂肪を取るだけでは余分な皮膚がシワ・たるみとして残りやすい傾向にあります。

【具体例】
形成外科医の監修によれば、「40〜50代で下眼瞼脱脂を受ける場合、新たな小ジワが発生する、既存のシワが深くなるといったデメリットがある」とされています。
実際、脂肪除去後にしわ取り目的で、レーザーやヒアルロン酸といった別の施術が必要になるケースもあります。
また、脂肪の除去だけでは皮膚のたるみそのものは改善できないため、たるみの強い方は別途「下眼瞼除皺術(皮膚の引き上げ・切除)」などが適している場合があります。

【対策】
術前に医師からシワ・たるみ悪化のリスクについて十分な説明を受けましょう。
肌の状態によっては、脱脂と同時に皮膚のたるみ取り手術やレーザー施術を併用する提案を受けるかもしれません。
また、術後に小ジワが気になる場合、ヒアルロン酸注入や脂肪注入で肌のハリを補うという方法がある他、脱脂術に脂肪注入を組み合わせて最初からシワ凹み対策を行うところもあります。
ただし、脂肪注入には感染やしこりリスクも伴うため一長一短です。
いずれにせよ、「脂肪を取れば終わり」ではなく、術後の皮膚状態ケアまで考えてくれるクリニックを選ぶことが重要です。

「理想と違う…」仕上がりの不満(凹み過ぎ・効果不足・左右差)リスク

美容医療を受ける上で、誰もが一番心配するのが「思ったような仕上がりにならない」という結果ではないでしょうか。下眼瞼脱脂術においても、主に以下の3つのケースが考えられます。

  • 脂肪を取りすぎた結果、目の下が凹みすぎてゲッソリした印象になる
  • 脂肪の除去が足りず、膨らみが残って効果を実感できない
  • 左右で仕上がりに差が出てしまい、顔のバランスが崩れる

これらは、主に医師の技術とデザインセンスによって生じるリスクです。下眼瞼脱脂術の成功は、どれだけ適切な量の脂肪を、いかにバランス良く除去できるかにかかっています。
目の下の脂肪は左右で量が異なることも多いため、その差を考慮せずに画一的に脂肪を取ってしまうと、かえって元々の非対称が強調されてしまうこともあります。経験の浅い医師の場合、脂肪の取り残しや取りすぎが起こりやすいため、注意が必要です。

専門家によると、「左右の脂肪量は個人で千差万別。眼窩脂肪は2〜3か所に分かれているが、経験不足の医師だと一部だけ取りすぎたり、不十分になったりすることがある」とされています。
また、元々ゴルゴライン(目の下から頬にかけての凹み線)が目立つタイプの方の場合、脱脂のみを行うと、その凹凸がかえって強調されてしまうこともあります。

【対策】
このリスクを最小限にするには、実績豊富な医師に施術を依頼することが第一です。
「適切な量の脂肪をバランスよく取れるかどうか」は医師の腕に大きく依存します。
症例写真を確認し、カウンセリングで信頼できると感じたドクターを選びましょう。
また、カウンセリング時に自分の理想の仕上がりイメージを共有し、取る脂肪の量やアプローチについてしっかり相談することも重要です。
術中に座った姿勢でバランスを確認しながら進めてくれるクリニックもあります。
左右差について不安があれば、「左右で脂肪量が違う場合どう調整するのか」質問してみると良いでしょう。
万一仕上がりに不満が残った場合、修正手術(再度の脱脂や脂肪注入)で調整することも可能です。そのため、術後のアフターケア(万一の修正対応や保証制度)が整っているクリニックだと、万が一の場合も安心でしょう。

ただし、二度目以降は組織が瘢痕化して難易度が上がるため、簡単ではありません。できる限り、一度で満足できる仕上がりにするのがベストです。

誰もが受けられるわけじゃない!適応外となるケース

下眼瞼脱脂術は目の下の膨らみ(脂肪)に悩む方に大変有効な治療法ですが、残念ながら全ての人に適しているわけではありません。
施術しても効果が乏しい方や、むしろ別の治療が必要な方もいらっしゃいます。

【適応外となる主なケース】

  • 眼窩脂肪がほとんどない人:もともと目の下に脂肪が少ないタイプの人(くぼみ目傾向の人)は、取る脂肪が無いため、無理に施術しても効果が出ず、逆にもっとくぼんでしまいます。そのため、手術適応外です。
  • 青クマ・茶クマが主な原因の人:目の下のクマには種類があり、脂肪による膨らみ・影が原因の「黒クマ・影クマ」以外に、血行不良による青クマ、色素沈着による茶クマがあります。
    青クマ・茶クマの場合、脂肪を取ってもクマの色味は改善しません。
    むしろ膨らみがないのに脱脂すると凹みだけが生じ、クマが余計目立つリスクがあります。
  • 皮膚や筋肉のたるみが強い人:膨らみよりも皮膚のたるみが主原因で目の下がたるんでいる場合、脱脂では根本解決できません。脂肪を取るとかえって皮膚があまり、シワが増えてしまうため、このような方には下眼瞼除皺術(経皮的たるみ取り)や裏ハムラ法(脂肪再配置)といった別の手術が適しています。
  • 重度のドライアイや眼疾患がある人:目の手術になるため、目自体に疾患がある場合は回復が遅れたり、症状が悪化したりするリスクがあります。また、重度のドライアイの人は術後、一時的に症状が強くなることもあります。

このように、「膨らみの原因が脂肪ではない人」や「脂肪を取ると不具合が出そうな人」は下眼瞼脱脂の適応外となります。
該当する場合は、医師のカウンセリングで他の治療法を勧められるでしょう。

【対策】
鏡を見ただけでは「膨らんでいる=脂肪」と思いがちですが、実際には皮膚のたるみや筋力低下、むくみ等が複合していることも多いです。
そのため、自分が下眼瞼脱脂術の適応者かどうかは専門医のカウンセリングでクマ・たるみの原因を正確に診断してもらう必要があります。

もし脱脂では効果が薄いと言われたら、無理に希望せず他の方法(ヒアルロン酸や外科的たるみ取りなど)を検討することをおすすめします。
誤った施術選択はデメリットしか生みません。
医師からの説明を聞いて納得してから施術を受けることはもちろん、適応判断に迷う場合は、いくつかのクリニックでセカンドオピニオンを聞いてみるのも良いでしょう。
「脂肪以外が原因のクマには効果が出ない」と明言しているクリニックもあるため、信頼できる医師なら、あなたに最適な治療法かどうか正直に教えてくれるはずです。

感染・出血など合併症リスク

下眼瞼脱脂術は比較的安全性の高い手術とされていますが、それでも外科処置である以上、稀に重大な合併症が起こり得ることも理解しておかなければなりません。

【下眼瞼脱脂術の代表的なリスク】

  • 感染症:傷口から細菌が入り、炎症を起こすリスクです。術中は無菌操作が徹底されますが、術後のケアによっては眼瞼(まぶた)の炎症などが起こる可能性があります。感染すると腫れや痛みが長引き、最悪の場合、傷の治りが遅れたり、脂肪組織が萎縮する後遺症につながったりする可能性も。しかし、近年の症例では感染発生は極めて稀で、万が一感染しても抗生剤投与で改善するのが一般的です
  • 術後出血・血腫:傷の内部で出血し、血が溜まって塊(血腫)になることがあります。これもごく稀なケースですが、血腫が大きくなると目の下にしこりのような腫れを感じ、吸収に時間がかかります。大量の出血が眼球の奥を圧迫し、視力障害につながる可能性もゼロではありません。ただし、術後に大きな腫れや激痛があれば早期に対処するため、視力が失われるリスクは現実的には非常に低く、重篤な例はほとんど報告されていません。
  • 角膜・結膜へのダメージ:手術器具が誤って眼球表面(角膜)に触れて傷がつくリスクや、術後に結膜下出血(白目の部分に出血斑)が出るリスクがあります。角膜損傷は術中に患者さんが急に眼球を動かすなどの偶発的要因で起こり得ますが、細心の注意で回避されます。結膜下出血は見た目が真っ赤になりますが、1〜2週間で自然に吸収される一過性のものです。
  • 感覚麻痺・違和感:下まぶたの一部で、触っても感覚が鈍い「知覚鈍麻」が起こることがあります。これは切開時に細かな知覚神経が影響を受けるためで、通常は時間とともに回復しますが、完全に元通りになるまで数ヶ月かかる例もあります。
  • 下眼瞼の一時的な外反(がいはん):術後、下まぶたが外側にめくれ気味になることがあります。傷の硬さや腫れで引っ張られるためで、大抵は1〜3ヶ月ほどで自然に治まります。軟膏の塗布やマッサージで経過観察しますが、稀に長引く場合は追加手術で矯正することもあります。
  • その他全身的リスク:局所麻酔や笑気麻酔を使用する際、ごく稀にショック症状(アナフィラキシー)や気分不良を起こす人もいます。また、手術の緊張で血圧が上下し、術後にだるさや発熱を感じる場合もあります。いずれも頻度は極めて低いですが、「外科処置である以上、リスクがゼロではない」ことは意識しておきましょう

【対策】
リスクを減らすには、クリニック・医師選びと術後の自己管理が重要です。
清潔な環境で熟練の医師が手術すれば感染や誤損傷のリスクは大きく減ります。
術後は触らない・こすらない、医師の指示通りの点眼や軟膏でケアするといった患者側の注意も大切です。
不安な症状が出た場合にすぐ相談できるよう、24時間対応の連絡先を用意しているクリニックもあります。重篤な合併症は滅多に起こりませんが、何かあっても迅速に対処すれば大事に至らないケースがほとんどです。
術前にしっかり説明を受け、万が一の対応策についても確認しておくと安心でしょう。

下眼瞼脱脂術が向いている人、向いていない人

ここまで下眼瞼脱脂術のデメリットとリスクを見てきましたが、「結局、自分はこの手術を受けるべきなのかな?」と悩んでしまう方も多いでしょう。
ここでは、下眼瞼脱脂術が特に効果を発揮する人と、残念ながらあまり向いていない人の特徴を整理します。あなたがどちらに当てはまりそうか、ぜひチェックしてみてください。

下眼瞼脱脂が効果的なケース(向いている人の特徴)

以下に当てはまる方は、下眼瞼脱脂術による見た目改善のメリットがデメリットを上回ると考えられます。「寝不足でも目元がスッキリ」「コンシーラーいらずになる」など、日常レベルで嬉しい変化が期待できます。

  • 目の下に明らかな膨らみ(ふくらみクマ)がある方:笑っていなくても下まぶたがぷっくり膨らんで見える場合、眼窩脂肪が前方に突出している「目袋」の状態です。脂肪除去でその膨らみを平坦にできるため、大きな効果が期待できます。
  • 膨らみによる影グマ(黒グマ)ができている方:下まぶたの膨らみが影を落とし、常にクマがあるように見えるタイプです。脱脂によって影の原因を取り除けば、クマが薄くなり明るい目元になります。
  • 下まぶたの皮膚にハリがあり、たるんでいない方:30代前半までの比較的若い方や、肌質的にシワ・たるみが少ない方は、脂肪を取っても皮膚が余りにくいです。脱脂単独で理想的な仕上がりが得られやすいでしょう。
  • 目の下のシワが気にならない方:もともと小ジワがほとんど無い方であれば、脱脂によるシワ悪化のリスクが小さいです。そのため、脂肪を取っただけでも十分、若返り効果を実感できます。
  • 膨らみ以外のクマ(青グマ・茶グマ)が目立たない方:血行不良による青クマやメラニン沈着の茶クマがほとんど無く、「クマ=膨らみ影のみ」という方は、脱脂でクマの主因を取り除けます。
    残った色味はコンシーラーなどでカバー可能なレベルになるでしょう。

下眼瞼脱脂を避けた方がいいケース(向かない人の特徴)

以下の特徴に当てはまる方は、下眼瞼脱脂術以外の代替策を検討した方が良いでしょう。
下眼瞼脱脂は影クマ改善には有効ですが、青クマ・茶クマ改善には効果が限定的で、症状によっては「やらない方が良かった」と後悔する可能性もゼロではありません。

  • 眼窩脂肪が少なく、どちらかというと目の下がくぼみやすい方:脂肪が元々少ないのに取ってしまうと、さらにくぼんで老け見えする恐れがあります。このタイプは脱脂ではなく、むしろ膨らみが気になる部分にヒアルロン酸や脂肪注入、ミッドフェイスリフトなどでボリュームを足す治療が適しているため、脱脂は適応外と言えるでしょう。
  • 青グマ(血行不良)や茶グマ(色素沈着)が主なクマの原因の方:脂肪ではなく皮膚の色味が原因なので、脱脂してもクマ自体はあまり改善しません。むしろ脂肪が減った分、皮膚の薄さが際立ち、青クマが余計透けて見えることも考えられるため、この場合も適応外です。
  • 下まぶたの皮膚がたるんでいる方:脂肪より皮膚や眼輪筋のゆるみでたるみが生じている場合、脱脂では根本解決になりません。脂肪を取っても膨らみが消えず、むしろ皮膚が余ってシワが悪化する恐れがあります。
    こうした場合は皮膚ごと引き上げる「表ハムラ法」など他施術が適しています。
  • 目の下のシワが気になっている方:既に小ジワ・ちりめんジワが目立つ方は、脱脂だけではシワが改善せず、前述の通り増加リスクがあります。
    レーザー・外科的たるみ取りといったシワ取りの施術を組み合わせない限り満足できない結果になるかもしれません。
  • 極端に敏感肌・瘢痕体質の方:非常に稀なケースですが、傷の治りが悪い体質やケロイド体質の場合、結膜側とはいえ組織の回復に時間がかかったり、想定外の反応が起きたりすることも考えられます。
    そのため、リスクについて事前に医師と話し合わなければなりません。

判断に迷ったら、まずは専門医に相談を


「自分はどっちに当てはまるんだろう?」と、自己判断が難しい場合も多いでしょう。そんな時は、まずは専門クリニックのカウンセリングを受けてみることを強くおすすめします。

信頼できるクリニックであれば、「下眼瞼脱脂は影クマの人に有効だが、青クマ・茶クマには効果がない」と明確に伝えてくれますし、診察を通して「脱脂より他の施術のほうが良い」と的確なアドバイスをくれるはずです。無理に施術を勧めてこない誠実な医師であれば、安心して相談できます。もし複数院で「適応外」と判断されるようなら、脱脂にはこだわらず、別の最適なアプローチを検討するようにしましょう。

下眼瞼脱脂術で失敗しないためのポイント

ここまで挙げたデメリットを読むと、「やっぱり怖いかも…」と感じた方もいるかもしれません。しかし、多くの方が下眼瞼脱脂術で満足いく結果を得ているのも事実です。
大切なのは、リスクを正しく理解し、それと上手に付き合いながら施術を検討することです。

ここでは、デメリットを踏まえて下眼瞼脱脂術で失敗しないための重要なポイントをまとめます。

下眼瞼脱脂術で成功するための鍵:クリニック・医師選び

仕上がりの良し悪し、合併症リスクの管理、そして術後のアフターケア体制は、ひとえに医師の技量とクリニックの方針に大きく左右されます。
デメリットやリスクを最小限に抑え、理想の目元を手に入れるには、施術を任せるクリニックとドクター選びが何よりも重要です。

【選び方のポイント】

  • 症例数と経験の豊富さ: 下眼瞼脱脂術の症例数が豊富なクリニックを選びましょう。多くの経験を持つ医師ほど、ダウンタイムの軽減や的確なデザインが期待できます。症例写真や患者さんの口コミも参考にしてください。
  • 医師の資格と経歴: 執刀医が形成外科専門医や美容外科専門医などの資格を持ち、確かな経歴があるかを確認しましょう。資格は医師の実績を裏付ける重要な指標の一つです。
  • デメリットやリスクの説明: カウンセリングで、施術の良い点だけでなく、デメリットやリスクについても包み隠さず説明してくれる医師を選びましょう。都合の悪いこともきちんと話してくれるドクターは信頼できます。「絶対安全」「誰でも完璧にきれいになる」としか言わない場合は、注意が必要です。
  • 保証制度と術後ケアの充実度: 万が一の左右差修正や、術後の24時間サポートなど、患者さんを第一に考える体制が整っているクリニックは安心感が違います。大手クリニックでは「保証期間内の再施術無料」といった制度がある場合もあります。
  • 医師のアプローチ: 医師によっては、脱脂と同時に脂肪注入を提案する場合もあれば、「追加施術なしで仕上げる」ポリシーを持つ医師もいます。ご自身の考えに近いアプローチを取る医師を選ぶのも一つの手です。例えば、「脂肪注入はリスクがあるから避けたい」と思うなら、脱脂単独で技術を磨いている医師が向いています。一方、「多少リスクが増えても完璧にフラットにしたい」なら、脂肪注入併用も検討できるでしょう。

複数のクリニックで話を聞き比べてみると、医師ごとの方針が見えてくるためその中で最も信頼できると思える医師に任せるのがベストです。

術前カウンセリングでリスクと期待値を確認しよう

カウンセリングは、施術内容を聞くだけでなく、ご自身の不安や希望を遠慮なく伝える大切な場です。

  • 具体的な懸念の共有: デメリットについて、「シワが増えるのが心配」「左右差が怖い」といった率直な懸念を伝えることで、医師から具体的な対策や見解を引き出せます。優れた医師であれば、患者さんの不安に真摯に向き合い、必要であれば施術を勧めないという誠実な判断もしてくれます。
  • 状態に応じた質問: 目の下の状態について詳しく質問することも重要です。「私の場合、どんなリスクがありますか?」「脂肪はどのくらい取りそうですか?」などと尋ねれば、医師のプランや方針がより明確になります。
  • 術後のイメージ共有: 「皮膚にたるみがあるので将来シワが気になるかもしれません。その際は〇〇も検討できます」といった具体的な説明を聞ければ、術後のご自身の変化をより鮮明にイメージできます。これにより、施術の限界やベストではない結果の可能性も含めて理解できるため、期待値を現実的なラインに調整でき、過度な期待による後悔を防げます。
  • ダウンタイムと生活への影響の確認: ダウンタイムや術後の過ごし方についても事前に確認しておきましょう。「何日くらいで仕事復帰できるか」「腫れを早く引かせるコツは?」「〇日後に大切な予定があるが大丈夫か?」など、生活スケジュールとの兼ね合いも相談しておけば安心です。医師から無理だと言われたら、予定をずらすことも検討しなければなりません。

要するに、カウンセリングではデメリットを含めて納得できるか」「自分のライフスタイルに支障がないかをしっかり確認する必要があります。不明点を残さずクリアにしておくことで、術後に「聞いていなかった…」という後悔を防げます。

術後のケア次第でリスク軽減・仕上がり向上につなげる

実は、術後の過ごし方もデメリットを最小化するうえで非常に重要です。自分自身の工夫や注意によって、回復を早めたり、トラブルを防いだりできます。

術後ケアのポイント

  • 指示通りのアイシング・点眼を行う:医師の指示に従い、しっかり冷やすことで内出血や腫れを軽減できます。処方された抗生剤の点眼や軟膏で感染予防を徹底しましょう。「面倒だから…」と怠ると、ダウンタイムが長引く原因になります。
  • 患部を清潔に保つ:術後は患部をむやみに手で触ったり、こすったりしないのが鉄則です。洗顔は医師の許可が出るまで控え、シャワー浴も短時間で済ませましょう。枕やタオルも常に清潔なものを使うように心がけてください。
  • うつ伏せ寝や過度な運動を避ける:術後しばらくはうつ伏せで寝ることはNGです。下まぶたに血流が集まり、腫れが悪化する恐れがあります。また、激しい運動も血行促進で内出血が悪化する可能性があるため、医師に許可されるまで控えましょう。
  • 保湿とUVケア:結膜側の傷は直接見えなくても、周囲の皮膚はデリケートになっています。適度な保湿と日焼け止めで皮膚のコンディションを整えることで、シワの予防にもつながります。
  • 定期的な経過チェック:術後腫れが引いても、1ヶ月検診や3ヶ月検診などで医師に診てもらいましょう。もし、左右差やシワ増加など気になる点が出てきた場合も、早期に相談すれば対策を提案してもらえます。放置すると不安が募るだけなので、遠慮なくアフターケアを活用してください。

術後ケアをしっかり行った方は、回復がスムーズになり、結果にも満足しやすい傾向があります。「手術が終わったら終わり」ではなく、自分でもアフターケアに積極的に取り組むことでデメリットを大きく減らせます。

信頼できるクリニックで医師に相談して理想の目元へ

MET BEAUTY CLINICでは、あなたの「なりたい」目元のイメージや、施術への不安に、時間をかけてじっくり耳を傾けます。

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下眼瞼脱脂術に関するよくある質問

最後に下眼瞼脱脂術について、よく寄せられる疑問にお答えします。デメリットやリスクに関する素朴な疑問も、ここで解消しておきましょう。

Q1. 下眼瞼脱脂術で失明のリスクは本当にないの?

A. 失明のリスクは極めて低いと言えます。 通常の術式で視力に影響が出ることはまずありません。下眼瞼脱脂術はまぶたの裏側から脂肪を取るだけで、眼球自体にはふれることはないからです。

理論上は、大量出血が眼球の奥に及ぶことで視神経を圧迫する可能性がゼロではありません。しかし、そのような重篤な事例はこれまでに報告されていません。また、手術の特性上、出血が起きても傷口から血液が排出されるため、眼球への圧迫リスクはさらに低くなっています。
多くのクリニックが「術後に視力低下が起こった例はない」と明言しており、適切に手術が行われれば、失明のリスクは事実上ほぼゼロと考えてよいでしょう。ただし、術後一時的に目が充血したり、乾燥しやすくなったりすることがあるため、医師の指示に従って目薬などでケアしてください。

Q2. 40〜50代だとシワが増えるって本当?対策は?

A. 残念ながら、その可能性はあります。
40代以上になると皮膚の弾力が低下しているため、脂肪を取った分の皮膚が余りやすく、新たな小ジワやたるみが発生するリスクが高まります。実際に「脱脂したらシワが目立つようになった」という50代の方の声も聞かれます。

しかし、対策がないわけではありません。まず、カウンセリング時に医師が皮膚のたるみ具合を診断し、脱脂と同時にレーザー治療や外科的なたるみ取りといった皮膚の引き締め施術を提案する場合があります。その際は前向きに検討すると良いでしょう。
また、術後に小ジワが気になった場合は、ヒアルロン酸注入や日々のスキンケアでフォローすることも可能です。40代以上の方は「脱脂だけで全てが解決するわけではない」ケースも多いため、最初からシワ改善も視野に入れた総合的な若返りプランを立てるのが理想的です。
MET BEAUTY CLINICでもあなたの状態に合わせて「リスク軽減のため、シワ対策も一緒に考えましょう」といった具体的なアドバイスをおこなっておりますので、遠慮なく相談してください。

Q3. 一度取った脂肪は将来また戻りますか?効果はどのくらい持続する?

A. 基本的に効果は半永久的に持続します。 一度切除した眼窩脂肪が、年月を経て再び増殖することはありません。したがって、下眼瞼脱脂術で得られたスッキリ感は長期間にわたり維持されると考えてよいでしょう。多くのクリニックでも「脂肪自体は戻らないので効果は持続する」と説明しています。

ただし、加齢による変化で将来新たな膨らみが出てくる可能性はあります。それは今回除去した脂肪が「復活」するわけではなく、あくまで新たな老化現象です。もし術後5年・10年経って再び膨らみが出てきた場合、それは残っていた脂肪が前に押し出されてきたか、他の組織の変化によるものです。

その場合、再度脱脂術を受けることも可能ですが、前回の手術で組織が瘢痕化しているため、難易度は高くなります。多くの方は一度の施術で長年効果を実感されていますので、基本的には「一生もの」と考えて問題ありませんが、老化の進行によっては将来的に追加の対処が必要になる可能性も考慮しておきましょう。

Q4. ダウンタイム中は仕事や育児と両立できる?何日くらい休みが必要?

A. ダウンタイム中でも、在宅勤務や軽作業であれば可能です。しかし、できれば1週間程度の休みを確保するのが望ましいでしょう。
腫れや内出血の程度によりますが、術後2〜3日は見た目にも腫れが明らかで、違和感があります。人前に出るお仕事の場合、最低でも術後5〜7日は休みを取ると安心です。テレワークで画面越しなら3日目くらいから参加する方もいますが、カメラオフを推奨します。

育児については、抱っこや激しい動きは出血予防の観点から術後すぐは避けるべきです。パートナーや家族に数日サポートをお願いできると理想的でしょう。
どうしても休めない場合は、内出血を隠すメイク術やサングラスの活用で乗り切る方法もあります。痛み自体は強くないので日常生活は送れますが、腫れが引くまでは多少の違和感が続くでしょう。

平均的には1週間でかなり落ち着き、2週間でほぼ周囲に気付かれない状態となります。そのため、お仕事復帰は1週間後、完全に元の状態に戻るのは2週間後と見積もって計画するのがおすすめです。

まとめ:賢い選択で、理想の目元を手に入れましょう

下眼瞼脱脂術の主なデメリットを改めて確認しましょう。

  • ダウンタイムは避けられない: 約1〜2週間は見た目に支障が出る可能性があります。
  • 小ジワ・たるみ悪化の可能性: 特に年齢肌では術後にシワが増えるリスクがあります。
  • 仕上がりが思い通りにならないことも: 脂肪の取り残しや取りすぎで凹み・左右差が起こる場合があります。
  • 適応を間違えると効果がない: 脂肪が原因でないクマや、脂肪が少ない人には向かない施術です。
  • ごく稀な合併症リスク: 感染症や血腫など、重大な副作用もゼロではありません。

こうして見ると不安になるかもしれませんが、これらのデメリットは事前の対策や心構え、そして適切な医師選びによって大きく軽減できます。

一方で、下眼瞼脱脂術は「半永久的な効果」「傷跡が目立たない」という大きなメリットで、目の下の膨らみを根本から解消できる画期的な方法です。実際、この施術で長年のコンプレックスから解放され、笑顔に自信が持てるようになったという声も多く聞かれます。

後悔しないために重要なのは、十分な情報収集と信頼できる医師との相談です。この記事を通じてデメリットやリスクを把握したことで、クリニックで質問すべき点や、注意すべきポイントもご理解いただけたのではないでしょうか。

ぜひ、カウンセリングでは懸念点を遠慮なく伝え、納得いくまで説明を受けてください。適切な適応判断と熟練した施術が行われれば、デメリットは最小限に抑えられ、メリットを最大限に享受できるはずです。

あなたの大切な目元です。メリットもデメリットも天秤にかけて、「それでもやりたい」と思えるかどうか、じっくり考えてみてください。もし一歩踏み出す決心をされたら、経験豊富な専門クリニックでぜひ相談してみましょう。適切なケアと技術のもとで受ける下眼瞼脱脂術は、きっと明るい未来への一歩になるはずです。

当院MET BEAUTY CLINICでも、下眼瞼脱脂術に関するご相談を随時承っております。
「自分の場合はどうなの?」という疑問がありましたら、どうぞお気軽に専門医にご相談ください。あなたの目元のお悩み解決に、本記事がお役に立てれば幸いです。